ロンドンを本拠地とするシュローダー・インベストメント・マネジメントは6月26日、「シュローダー・グローバル・シティーズ30・インデックス」を発表した。それによると、世界で最も不動産投資に適した都市は、米カリフォルニア州ロサンゼルスだった。同ランキングの発表は、今年で3回目となる。

映画の街として知られるロサンゼルスは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、南カリフォルニア大学(USC)、ペパーダイン大学など、高い評価を受けている複数の大学を擁する。さらに、スナップやパンドラをはじめとする将来有望なテクノロジー系のスタートアップ企業が拠点を置く場所でもある。

また、ロサンゼルスで目立つのは、中国からの投資と中国人の移民だ。いくつもの不動産建設事業が進められ、移住する人の数は、マイアミ、ニューヨークを上回っている。

ランキングをまとめたシュローダーの担当者は、「ロサンゼルスの規模と経済の奥深さは、働く場所としても暮らす場所しても、この街を魅力的なものにしている。経済的な強みの中でも特に重要なのは、一つの産業だけに依存しないという点だ」と指摘している。

また、「中でもテクノロジー部門は、ここ数年で大幅に成長しており、これによってオフィススペースだけでなく、住宅の需要も増えている。関連企業に採用され、移り住むミレニアル世代が増加したためだ」という。

米国の都市が多数

約160の都市を対象に実施した調査の結果、トップから30位までを紹介する同ランキングのうち、最も多くを占めたのは米国の都市(18)だった。トップ5を見ても、2位ロンドンを除けば全てが米国の地名となっている。

ロサンゼルスは、前回の6位からトップに躍り出た。また、昨年から最も大幅にランクを上げた都市の一つ、ボストンは24位から3位へと急上昇した。複数の大学があり、就業機会に恵まれた都市であることの影響が大きいと見られている。

そのほか、市街地での凶悪犯罪の発生が頻繁に伝えられるシカゴが10位から4位に上昇したことは、驚きだったといえる。5位には前回と同じニューヨークの名前が挙がった。

ランキングのトップ10に名前が挙がった都市は、以下のとおりだ。

1位: ロサンゼルス(カリフォルニア州)
2位: ロンドン
3位: ボストン
4位: シカゴ
5位: ニューヨーク
6位: 香港
7位: ヒューストン
8位: メルボルン
9位: シンガポール
10位: 上海

そのほかアジア地域の都市でランク入りしたのは

北京(11位)、東京(21位)、深圳(24位)となっている。